夏目漱石旧居跡が文京区にありますが、残念ながら石碑のみです。谷根千散歩のエリア内なので、根津神社に参拝するついでに時間があれば訪問してみてください。

石碑だけが残る夏目漱石旧居跡

また、なぜか、2月21日は「漱石の日」らしいです。漱石の誕生日は1867年2月9日、亡くなったのは1916年12月9日。漱石の1000円札が初めて発行されたのが1984年11月1日と、何にもちなんでないような気がするのですが。

実は、文部省から打診された博士号の授与を辞退する手紙を送ったのが2月21日だったことに由来するらしいです。少しわかりづらいですね。「我輩は猫である」にちなんで、2月22日(ニャン・ニャン・ニャン)の方が良くないですか?と思ったりします。

そんなわけで、せっかくの漱石の日なので旧居跡を訪ねてみました。場所は根津神社の近くで、根津裏門坂を上って徒歩5分くらいでしょうか。人気の散歩スポットなので、あえて紹介するまでもないと思いますが、イギリス留学から帰国した明治36年、ここ旧千駄木町57番地に居を構えたらしいです。「猫の家」としても有名で、作品の舞台になった「我輩は猫である」をはじめ「坊ちゃん」「倫敦塔」「草枕」などの作品を次々に生み出した地でもあります。漱石が住む前の明治23年には森鴎外も住んでいたそうなので、まさに聖地というか、ご利益スポットですね。作家を志す方は、ぜひ訪問を。


【場所】谷根千散歩マップ (12)

【所在地】東京都文京区向丘2-20-7 [地図]

この家、漱石作品でも描かれており、「我輩は猫である」では、「落雲館中学」の生徒とのバトルが。「落雲館に群がる敵軍は…」「…一書を落雲館校長に奉って、少々御取締をと哀願した。」「落雲館の生徒ならなぜむやみに侵入した」などなど、「落雲館」というキーワードが35回も登場しますが、あまり良いようには書かれておりません。よほど、学校のにぎやかさが創作活動にマイナスだったんでしょうか。

「楽雲館」のモデル「郁文館」

この「落雲館」、ご存知の方も多いとは思いますが、裏にある「郁文館」がモデルになったといわれております。その郁文館、現在では、あのワタミの渡邉美樹社長を理事長にむかえ、「郁文館夢学園」と名前を変えています。おっと、「落雲館」が「郁文館夢学園」に改名したわけではないので、誤解のないように。郁文館は明治22年創立、120年を超える伝統校です。夢がありますなー。

というわけで、ここで一句
漱石の旧居の裏に“夢”がある

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