谷中の天王寺

天王寺は谷中七福神の毘沙門天が祀られる寺としても知られています。1700年頃には目黒不動、湯島天神と共に「江戸の三富」として富くじが開催されていました。元々は感応寺という名前でしたが、歴史的な経緯で改称を余儀なくされ、現在に到ります。

幸田露伴の代表作『五重塔』の舞台ですが、現在は五重塔はありません。関東大震災や東京大空襲をくぐり抜けた東京名所の五重塔は、放火心中事件によって焼失してしまいました。1957年のことです。当時のことを知る人によると「オレンジ色の炎が見えた」「小学校に通うのに焼け跡をふみしめて行ったのを覚えている」とのことです。今では五重塔跡が残るのみです。残念ですね。

五重塔は1772年にも一度焼失して、1791年に再建されています。実にさまざまな歴史に翻弄されてきたお寺といえます。これからは平安な歴史が続くことを祈りましょう。

【所在地】東京都台東区谷中7丁目14−8 [地図]

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